SFCとJGC、どちらがお得?~ダブルホルダーが徹底解説

SFCとJGC、どちらがお得?~ダブルホルダーが徹底解説

僕自身、JGC(JAL)は2017年、SFC(ANA)は2018年に取得したダブルホルダーです。

ご存じの通り一度上級会員になってしまえばクレジットカードを保有しているだけで永遠にそのステータスを維持できることから修行をしてまで取得したい方も多いのではないでしょうか。実際に上級会員のメリットを享受した立場から、どちらかを取りたいけど迷っている皆さんにJGCとSFCの違いを解説したいと思います。

この記事はこんな方にお勧めです。

  • JGC、SFCはどちらが取りやすいかを知りたい
  • JFC、SFCのどちらがよりメリットを享受できるかを知りたい

JGC・SFC会員とは?

JGC=JAL Global Club、SFC=Super Flyers Clubの略でそれぞれJALとANAの上級会員のことを示します。
航空会社は一年間の搭乗回数や搭乗距離等を踏まえて、一定以上利用してくれた顧客を優遇するために上級会員制度を設けています。

FLY ONポイント(JAL)
プレミアムポイント(ANA)

JAL ANA
30,000~ クリスタル ブロンズ
50,000~ サファイア プラチナ
80,000 JGCプレミア
100,000 ダイヤモンド ダイヤモンド

上記の表の中で50,000ポイントというのがキーになっており、JALのサファイア会員・ANAのプラチナ会員になると同資格とほぼ同等のメリットが享受できるJGC・SFCのクレジットカードの発行ができます。

JGCとSFCを比較する際の観点

まず初めにJGCとSFCのどちらがより魅力かを判断する際の観点をお伝えします。どれか一つの観点に固執することなく、総合的に比較して納得した上で選択できればいいですね。

コスト(取得費)

出張族で簡単に上級会員になれる人を除いては航空券を購入してたくさん搭乗する必要があるため、当然ながら相応のコストが取得時にかかります。

コスト(維持費)

馬鹿にならないのが、維持費です。JGC・SFCともに専用のクレジットカードを保持し続けることでそのステータスを維持することができます。家族構成や生活スタイル等によってもお勧めできるクレジットカードが変わってきますが、JGC・SFCで居続ける期間分のクレジットカード年会費が発生するので慎重に検討する必要があるでしょう。

ベネフィット

当然、JGC・SFCになりたい皆さんにとって上級会員によって得ることができる特典が判断基準の一つになってくるでしょう。特典は概ねJAL/ANAとも変わらないからこそ違いに悩む方も多いかと思います。また、ベネフィットの中身以上に、ベネフィットを享受できる可能性がどちらの航空会社のほうが多そう(どちらの航空会社・提携航空会社をより多く利用する)か、という点も考慮にいれることをお勧めします。

JGCとSFCの取得方法比較~どちらが取得しやすいか?

基本的には先ほどの表に記載した50,000 FLY ON / プレミアムポイントを1-12月の間に取得する必要がありますが、JALは搭乗回数だけでもサファイア会員になることができるため、取得しやすさではややJALに分が上がるでしょうか。しかしながら、個人的には大差はなく、使い勝手の良さを踏まえてどちらを取得するかを決めると良いでしょう。

  JGC(JAL) SFC(ANA)
FLY ON / プレミアムポイント

50,000 FLY ONポイント以上
(うち25,000以上はJALグループ便)
又は、
搭乗回数50回(うち25便はJALグループ便)かつ、15,000 FLY ONポイント以上

50,000 プレミアムポイント
(うち25,000ポイントはANAグループ運航便)

取得費用 最安40万円程度 最安50-60万円程度
クレジットカード サファイアステータス達成後にJALグローバルClubクレジットカード(Club-A以上)を発行 プラチナステータス達成後にANAスーパーフライヤーズカードを発行

50,000 FLY ON / プレミアムポイントを取得する方法例

国内線・国際線のどのルート・クラスを活用するかにもよりますが、自費だけでの取得ということになると最低50万円程度の航空券代が必要になってくるでしょう。

国内線

国内線で50,000 FLY ON / プレミアムポイントを取得するための例をいくつか整理しました。

  エコノミークラス プレミアム/ファーストクラス
羽田⇔伊丹 26往復(25往復で50回搭乗の基準達成) 20.2往復
羽田⇔新千歳 17.6往復 13往復
羽田⇔那覇 10.6往復 7.5往復

出張等があればそれだけで達成できる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうでない方にとっては気の遠くなるような回数かもしれません。修行僧に人気なのは全体としての費用が少なく、搭乗回数も抑え込める羽田⇔那覇間のプレミアム/ファーストクラスとなっているようです。是非ご自身でもシミュレートしてみてください。

JAL国内線FLY ONポイントシミュレーション
ANA国内線プレミアムポイントシミュレーション

国際線

国際線で50,000 FLY ON / プレミアムポイントを取得するための例をいくつか整理しました。

  エコノミー(70%) エコノミー(100%) ビジネスクラス(125%)
ニューヨーク 4.9往復 3.7往復 2.8往復
ロンドン 5.3往復 3.8往復 3.1往復
シンガポール 6.4往復 4.7往復 3.8往復

国際線の場合、欧米であればエコノミークラスで5往復程度、ビジネスクラスであれば3往復程度で達成可能なので出張族にとっては比較的簡単に取得することができそうです。また、お金に余裕がある方であれば少ない回数で取得可能な欧米ビジネスクラスをお勧めしますが、場合によっては1往復だけで100万円近くかかってしまうので、修行僧向きのルートではないかもしれません。国際線であれば、コスト面でも多少現実的なシンガポールのプレミアムエコノミー便をお勧めします。ご自身でもシミュレートしてみてください。

JAL国際線FLY ONポイントシミュレーション
ANA国際線プレミアムポイントシミュレーション

JGCとSFCの維持費比較~どちらが維持しやすいか?

先述の通り、JGCやSFCを維持するためにはクレジットカードを保有し続ける必要があります。そのため、カードの年会費が維持費として必要になってくることを意識しないといけません。家族カードの要否やメイン・サブどちらのクレジットカードとして保有するかによっても結論は変わってきます。

JGC(JAL)は最安値11,000円

JGCクレジットカード比較JAL公式HPより

SFC(ANA)は最安値11,275円

SFCクレジットカード
SFCクレジットカードANA公式HPより

JGCとSFCの特典比較~どちらがお得か?

様々な特典が用意されているJGCとSFCですが、実際にはどちらがお得なのでしょうか?正直、似たり寄ったりの部分も多いですが、特に異なる点をメインに僕自身の実体験も踏まえて解説したいと思います。

航空券予約時の特典比較

  JGC(JAL) SFC(ANA)
会員専用予約デスク
前方座席指定
キャンセル待ち優先
アップグレードポイント

航空券を予約する時の特典について差があるのはアップグレードポイントです。ANAの場合には前年のプレミアムポイント数等に応じてアップグレードポイントが付与されます。このアップグレードポイントは国際線の場合アップグレード可能な航空券であることが条件ではあるものの、空きがあれば上位クラスへのアップグレードが可能です。国内線の場合には搭乗2日前以降に空席があれば、航空券の種類によらず(特典航空券でも!)予約可能です。詳細は公式HPでご確認ください。僕も何度かアップグレードポイントを活用し、美味しい思いをしました。

もう一点追加で差が出るとすると、JGCとSFCの違いというよりはJALとANAの違いですが、国内線の特典航空券の利用可能な期間がANAだけは制約があります。年末年始、GW、お盆休み等の利用客が多い時期においてはANAは特定の便において国内線の特典航空券を取り扱っていません。このため、こうした期間にマイルを使って国内線の特典航空券を取得したいという方はJGC会員として会員制用予約デスク経由で予約をすると良いでしょう。人気路線の特典航空券予約開始日、開始時間に埋まってしまうので、上級会員であることは大きなメリットになります。

アップグレードポイントを活用して無料で座席をアップグレードしたい方にはSFC(ANA)がお勧め
国内線の特典航空券を繁忙期に利用したい方にはJGC(JAL)がお勧め

空港利用~搭乗時の特典比較

  JGC(JAL) SFC(ANA)
専用カウンターでのチェックイン
優先セキュリティレーン
空港ラウンジ ○(ワンワールド系列) ○(スターアライアンス系列)
優先搭乗 ○(ダイヤモンド会員の後に搭乗) ○(ダイヤモンド会員の後に搭乗)
受託手荷物無料許容量の優待


国内線:通常プラス20キロ以内
JAL国際線:通常プラス1個(~32キロ)
ワンワールド国際線:HP参照


国内線:通常プラス20キロ以内
ANA国際線:通常プラス1個
スターアライアンス国際線:通常プラス1個 or 20キロ以内
到着空港での手荷物の優先引き渡し ○(ダイヤモンド会員の後) ○(ダイヤモンド会員の後)
搭乗マイル 35%
(加えて、毎年初回搭乗ボーナス3,000マイルを付与)
35-50%(保持するカード次第)
公式HP参照

上級会員であることのメリットを強く感じることができるのがこれらの場面ではないでしょうか。JGC・SFCともにほぼ同等の内容で、こちらの観点からは正直甲乙つけがたい印象です。

差が出るとすると付与される搭乗マイル数でしょうか。JALは毎年初めての搭乗時にボーナスマイルが3,000マイル付与されるのが特筆すべき点です。国内線・国際線のどの区間でも同じなのでJGCでいる限り最低1回は搭乗するとメリットを感じることができます。一方、ANAはカードの種類によっては最大50%まで付与率があがります。ゴールドカード、プラチナカードを保有する場合にはメリットが出てきます。

空港利用~搭乗時はJGC・SFCに大きな差はない
JGCの初回搭乗ボーナス3,000マイルは魅力的

その他の比較ポイント

航空ネットワーク

JGCもSFCも飛行機に乗ってこそそのメリットを享受できるため、自分が利用できる/しそうな便がどれだけあるかは重要な観点です。

  JAL ANA
アライアンス加盟航空会社数 15社(ワンワールド) 28社(スターアライアンス)
路線数(国内) 117路線 123路線
路線数(国際) 54路線 81路線

こうして比較すると国内線はほぼ互角、国際線はANAの圧勝です。ANAの場合、加えてスターアライアンス加盟の航空会社便も利用できるため、優位性が増すでしょう。

さらに上位クラスを目指す場合

JALのJGCはサファイア会員、ANAのSFCはプラチナ会員になれば取得可能ですが、両社ともにさらに上級会員であるダイヤモンドが存在しています。JGC/SFC取得後にさらにFLY ON/プレミアムポイントを取得してダイヤモンドを目指す場合にはどちらが魅力的でしょうか。僕自身、JGC/SFCの取得年度にどちらもダイヤモンドステータスになった経験も踏まえると、この観点ではJALが優勢です。

一点目は、JALでダイヤモンド会員になると、ワンワールドエメラルドステータスになることができ、ワンワールド各社の最上級ラウンジが利用できることです。ワンワールドの場合、クリスタル、サファイア、エメラルドの3階層制度をとっているため、キャセイパシフィック航空やマレーシア航空、アメリカン航空の最上級ラウンジが利用できてしまうのです。ANAのスターアライアンスの場合は2階層制度なので、ANAのダイヤモンドを取得しても利用可能なラウンジはANA以外は変わりません。特に香港のキャセイパシフィック航空ファーストクラスラウンジは秀逸でした。

二点目は、JGCの場合80,000 FLY ONポイントでJGCプレミアステータスになることができ、100,000 FLY ONポイントが必要なダイヤモンドステータスとほぼ遜色ないサービスを享受することができます。(上述のファーストクラスラウンジ利用含め)

ANAの優位点は羽田空港のDining Hくらいでしょうか。

ANAのSFC(プラチナステータス)とダイヤモンドステータスの違いについてはこちらの記事も併せてご確認ください。

JALのJGC(サファイアステータス)とJGCプレミア・ダイヤモンドステータスの違いについてはこちらをどうぞ。

 

まとめ

様々な観点からJGCとSFCの比較をしてまいりました。どの観点から評価するかによっても結論は変わってくるので、結局僕はダブルホルダーになりましたが、ステータスを維持し続けているので個人的にはどちらもやはり甲乙つけがたく、うまく使い分けるのが一番だと思っています。

  • JGC、SFCのどちらを取得するべきかは取得費、維持費と特典内容を総合的に比較する必要がある
  • 評価項目によって優劣は変わってくるので、どの点を重視するかによって決めるべき